アフリカ地域

WB_AR2009_photoimage
WB_AR2009_Map Africa

  • アンゴラ
  • ベナン
  • ボツワナ
  • ブルキナファソ
  • ブルンジ
  • カメルーン
  • カーボヴェルデ
  • 中央アフリカ共和国
  • チャド
  • コモロ
  • コンゴ民主共和国
  • コンゴ共和国
  • コートジボワール
  • 赤道ギニア
  • エリトリア
  • エチオピア
  • ガボン
  • ガンビア
  • ガーナ
  • ギニア
  • ギニアビサウ
  • ケニア
  • レソト
  • リベリア
  • マダガスカル
  • マラウィ
  • マリ
  • モーリタニア
  • モーリシャス
  • モザンビーク
  • ナミビア
  • ニジェール
  • ナイジェリア
  • ルワンダ
  • サントメ・プリンシペ
  • セネガル
  • セーシェル
  • シエラレオネ
  • 南アフリカ
  • スワジランド
  • タンザニア
  • トーゴ
  • ウガンダ
  • ザンビア

食糧危機、燃料危機、世界的経済危機

マクロ経済政策の改善、堅調な一次産品価格、そして援助、資本フローおよび国外からの送金の大幅な増加により、2000年に3.1%だったアフリカの成長率は、2007年には6.1%へと上昇しました。この経済発展と共に、ガバナンスと説明責任も向上しました。この時期、アフリカ地域は、貧困削減とミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けて前進を遂げました。域内では1日1.25ドル未満で暮らす人の割合が、1996年の58%から、2009年第1四半期には50%へと減少しました。HIV/エイズの流行は沈静化し、初等教育への就学率は上昇し、そ の他の人間開発の分野でも進歩が見られました。

しかしながら、2007-08年の食糧・燃料危機に続いて起こった世界的金融危機は、一次産品価格、観光収入、輸出、国外からの送金および民間資本フローの減少を通じて、アフリカ諸国に深刻な影響をもたらしています。この危機により、これまで何年にもわたって積み重ねてきた進歩が帳消しになってしまいかねません。 金融危機以前は年間約200億ドルだったアフリカ地域への送金は4 ~ 8%下落し、特に、国外からの送金が通常、国内総生産(GDP)の29%を占めるレソトなどの国々に大きな打撃となっています。民間資本フローは、2007年には530億ドルへと急増し、切望されていたインフラ整備や一次産品関連投資の原資となっていましたが、2009年度下期には40%減少しました。2009年の予想成長率は1.7%にすぎず、MDGs達成に向けた歩みが減速することとなるでしょう。これは、ガーナのように、2015年までに貧困を半減させるという目標に手が届きつつあった国々についてさえ言えることです。

危機の影響の軽減

世銀グループは、アフリカ諸国が危機に対応するのを支援すべく、断固とした措置を講じてきています。具体的には、各国の危機対応計画策定を支援していますし、改革の勢いを維持し、制度およびガバナンス上の重要な課題への取り組みを引き続き進めるのを支援するため、政策助言を行っています。これには、モザンビークやザンビアなど、資源が豊富な国におけるコモディティのバリューチェーン管理の改善を目的とした、採掘産業透明性イニシアティブ・プラスプラス(EITI++)アプローチ等を通じた助言も含まれます。

アフリカ地域への貸付は99件のプロジェクトを対象とし、2009年度に44.3%増加して82億ドルとなりました。その内訳は、IBRDによる貸出3億6200万ドル、IDAの融資承認額79億ドル(うち20億ドルは贈与およびHIPCグラント4550万ドル)となっています。コートジボワールおよびトーゴの2か国は重債務貧困国(HIPC)イニシアティブの決定時点、ブルンジおよび中央アフリカ共和国はHIPC完了時点に到達しました。2009年度のアフリカへの貸付には、中央アフリカ共和国やガーナ等緊急の財政ニーズを抱える国々に対する、IDAからの緊急かつ前倒しの支援が含まれています。IDAはまた、コンゴ民主共和国に対し、インフラ維持および教師への給与支払い資金として、1億ドルの緊急融資を行いました。

世銀は、助言サポートを通じてアフリカの中所得国との関わりを深め、これら新興諸国が危機を上手く乗り切ることができるよう、より柔軟性に富んだ新しい資金供給ツールを提供しました。例えば、IBRDはモーリシャスに対する開発政策融資に繰延引出オプションを追加しました。また、国際金融公社(IFC)は、有望ながら財政難に陥った民間資本によるインフラ・プロジェクトに対し3億ドルの追加融資を承認しました。

食糧危機の克服と農業の強化

アフリカは、食糧危機により特に深刻な打撃を受けたいくつかの国々に緊急援助を提供してきた世界食糧危機対応プログラム(GFRP)の優先対象地域でした。GFRPはセーフティネット・プログラム、学校給食および「労働の対価としての食糧支給」プログラム、種子や肥料購入のための資金を拠出してきました。同プログラムはまた、食糧および原油価格の高騰により財政状況が悪化した各国政府に対し、財政支援を実施しました。

世銀は2009年度中に、農業の発展と生産性向上を後押しするために、合計約14億ドルに上る新規融資を承認しました。これは、2008年度実績の3倍にあたります。カメルーン、ニジェールおよびナイジェリアでは、中小規模の穀物、園芸、魚、肉類および乳製品の生産者に対し、事業の競争力を強化し売上・利益を増加させるための支援が提供されました。2009年6月に承認された東アフリカ農業生産性プログラムは、エチオピア、ケニアおよびタンザニアの3か国間における、特に小麦、コメ、飼料、キャッサバ、乳牛分野の新技術創出と普及に関する協力を支援します。

疾病との闘いおよび保健システムの強化

多国間HIV/エイズ プログラム(MAP)は、2001年以来、30を超えるアフリカ諸国におけるHIV/エイズの予防・治療のために18億ドル(2009年度の2億1800万ドルの融資承認を含む) を提供してきました。MAPのフェーズⅠでは、約2億人の人々にHIV予防プログラムを提供し、100万人超の女性が母子感染予防サービスを受けられるようにし、22か国において孤児や弱い立場に置かれた子供たちへの支援を行いました。各国およびドナーの協力した取り組みにより、現在アフリカでは、210万人超の人々がHIV/エイズ治療を受けており、16か国においては母子感染予防を支援するサービスの普及率が25%に達しています。

世銀はマラリアとの闘いのため、2009年度に、アフリカの「マラリア抑制のための予防接種プログラム」フェーズⅡ(2009-12年)に対し、10億ドルを超える融資承認を行いました。フェーズⅠは、ザンビアの世帯の72%(2004年時点での普及率は5%)、エチオピアの世帯の90%超(2004年時点では5%)、そしてベナンでは5歳以下のすべての子供たちに対する蚊帳の支給に大きく貢献しました。フェーズⅡでは、世銀は、最も被害が深刻な国に分類されるコンゴ民主共和国およびナイジェリアに優先的に取り組みます。

また、世銀は2009年度、保健融資、保健関連の人材、医薬品およびサプライチェーン、ガバナンスおよびサービス提供、インフラ、情報通信技術等の分野における新しいプログラムである成果指向の保健システムを立ち上げました。このプログラムは、ベナン、ブルンジ、エリトリア、エチオピア、ガーナ、ケニア、マダガスカル、マリ、モザンビーク、ナイジェリア、ルワンダおよびザンビアが対象です。

教育支援

保健セクターと同様に、世銀のアフリカの教育セクター支援は、他のパートナーの貢献を活かし、各国政府によるプログラムを拡大します。2009年度、IDAの教育・訓練分野に対する融資承認は、前年の3億6800万ドルから6億9700万ドルまで増加しました。さらに、世銀は2009年度、「万人のための教育ファスト・トラック・イニシアティブ触媒基金」から、9か国における基礎教育を支援する目的で3億5900万ドルのグラントを実施しました。これによって、アフリカ地域で触媒基金の恩恵を受ける国は20か国、グラント総額は14億ドルに達しました。

アフリカにおける世銀のIDA・IBRD活動は、分析作業、非融資技術協力および政策対話によって補完されています。例えば、当初は情報通信技術に焦点を絞っていた、「アフリカにおける新たな経済スキル・プログラム」が、ガーナ、ケニア、マダガスカル、モザンビーク、ナイジェリア、ルワンダ、セネガルおよびタンザニアの8か国で開始されました。「 Accelerating Catch Up: Tertiary Education for Growth in Sub-Saharan Africa(さらに遅れを取り戻すために:サブサハラ・アフリカの成長のための高等教育)」という報告書に基づき、アフリカ地域は、高等教育用の資金調達に関する政策対話を進めるための高等教育プログラムを立ち上げました。

インフラ拡張および地域別解決策の支援

世銀のインフラ融資は、インフラに対する金融危機の影響を軽減し、危機が去った後の回復および成長の準備を整えるため、2009年度に33億ドル(2006年の倍)に増加しました。世銀は、アフリカ連合、アフリカ開発のための新パートナーシップおよび地域経済委員会によって示された域内インフラの優先課題に対応しつつ、またアフリカ開発銀行および他の二国間・多国間枠組みと緊密に連携しつつ、地域プロジェクトへの支援を拡大しています。

世銀は2009年度、アフリカのエネルギー(鉱業を含む)セクターに、合計14億ドルを投資しました。これは、制度改革、発電量増大、送電、農村エネルギーおよび再生可能エネルギーなどの支援に使われ、南アフリカ電力プールに対する1億8100万ドルの投資や、ベナン、中央アフリカ共和国、コートジボワール、ケニア、マリおよびナイジェリアなどの国々における投資も含まれています。2009年度、アフリカの交通輸送に対するIDAおよびIBRDの融資承認は11億ドルでした。ブルキナファソ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、レソトおよびリベリアでの上下水道設備および都市開発にも投資しました。また、マラウィ、モザンビーク、ルワンダおよびタンザニア向けの情報通信技術関連の投資が承認されました。

気候変動への対応

アフリカでは気候変動のために、毎年1-2%のGDPが失われています。世界的な気温の上昇は、アフリカ西部および南部には降水量の減少、水不足、生育期間の短縮を、またアフリカ北東部には降水量の増加、洪水の深刻化、より大規模かつ頻繁なサイクロンの到来をもたらすと考えられます。世銀は2009年度、アフリカでの活動に気候変動への対応をより取り込むための戦略を策定し、この戦略を、まずはエチオピアおよびモザンビークにおける投資や分析業務の中心に据えようとしています(http://www.worldbank.org/afr 参照)。

図2.1
アフリカ地域
IBRDとIDAのテーマ別融資|2009年度
総融資額82億ドルに占める割合 [拡大図はこちら]

Africa IBRD and IDA Lending by Theme Fiscal 2009

図2.2
アフリカ地域
IBRDとIDAのセクター別融資|2009年度
総融資額82億ドルに占める割合 [拡大図はこちら]

Africa IBRD and IDA Lending by Sector Fiscal 2009

表 2.1

アフリカ地域に対するテーマ別、セクター別融資 | 2004 ~ 2009年度

単位:100万ドル

テーマ 2004 2005 2006 2007 2008 2009
経済管理 68.0 46.5 31.4 94.6 139.4 183.5
環境・天然資源管理 195.2 217.2 250.6 212.0 338.0 246.1
金融・民間セクター開発 810.9 768.2 979.1 962.7 982.1 1,556.4
人間開発 618.2 620.2 979.1 1,104.5 572.2 1,259.1
公共セクター・ガバナンス 818.4 708.0 964.7 859.2 1,612.1 1,131.0
法規 28.3 30.9 179.7 13.1 22.7 11.7
農村開発 360.7 537.2 528.6 780.0 526.4 2,047.5
社会開発・ジェンダー・参加 374.3 221.8 198.5 314.3 275.2 236.6
社会的保護・リスク管理 209.2 294.3 262.7 272.3 169.0 348.9
貿易・統合 371.5 232.0 413.1 449.7 407.3 423.0
都市開発 261.1 211.4 304.9 734.5 642.2 759.1
テーマ総額 4,115.9 3,887.5 4,786.6 5,796.9 5,686.5 8,202.9
セクター
農業・漁業・林業 268.5 215.3 585.5 369.7 367.6 1,249.3
教育 362.9 369.0 339.3 706.6 373.0 719.7
エネルギー・鉱業 365.8 509.5 524.5 773.0 939.4 1,417.7
金融 165.7 68.6 142.3 26.3 129.7 75.4
保健・その他の社会サービス 723.1 590.3 614.0 687.3 467.5 1,004.3
産業・貿易 95.4 253.8 348.4 144.2 196.2 289.9
情報・通信 52.9 20.0 5.0 146.0 0.8 144.3
法律・司法・行政 1,004.2 1,077.5 1,263.0 1,352.5 1,748.0 1,602.3
運輸 716.6 507.2 602.7 870.8 986.5 1,146.5
上下水道・治水 360.8 276.2 361.9 720.5 477.9 553.6
セクター総額 4,115.9 3,887.5 4,786.6 5,796.9 5,686.5 8,202.9
うち、IBRD 0.0 0.0 40.0 37.5 30.0 361.5
IDA 4,115.9 3,887.5 4,746.6 5,759.4 5,656.5 7,841.4

注:2005年度からは、保証と保証ファシリティを含む。数字は端数を四捨五入したため、合計額が合わないことがある。

注目すべき成果現場の声

経費削減、貿易拡大および収入改善̶東アフリカ共同体の事例マイナ・ジチョヒは、毎朝仕事や商談のために車でナイロビへ向かいますが、その際、いつも 北部回廊を一定区間通ります。彼は「最近道路が改修されたおかげで、市内への車の乗り入れがずっと簡単で割安になった」と言います。「時間がかかったけれど、やっと完成しそうで良かった」。同回廊の改修は、北部回廊交通改善プロジェクト(NCTIP)および東アフリカ貿易・運輸促進プロジェクト(EATTFP)の主要目的です。これらプロジェクトはいずれも、東アフリカ共同体に加盟するケニア、タンザニア、ウガンダの3か国間における輸送コストを削減し、交易拡大を促進することを目的としています。プロジェクトの恩恵はこれら3か国にとどまらず、ブルンジ、コンゴ民主共和国東部、ルワンダおよびスーダンにも及びました。

東アフリカの主要な交易路(モンバサからキガリまでの北部回廊、およびダルエスサラームからキガリまでの中央回廊)に対する世銀グループの関与は、物的インフラ、官民の関係者への制度面での支援、および貿易活動促進施策を組み合わせたものです。NCTIPおよびEATTFPは、モンバサ港での取引を改善することで、到着した船からの貨物の移動時間を24時間以上短縮し、モンバサ-キガリ間の輸送所要時間、およびケニア-ウガンダ国境の越境所要時間を削減しました。また、道路の改修により、車両操業コストも下がりました。

マイナの職場は、モンバサからカンパラへ延びる北部回廊沿いにあります。一帯は、年間交通量が10%増加するなど、地域で最もにぎやかな場所のひとつであり、ケニアおよび近隣国経済の中心と見なされています。ウガンダの貿易の90%近く、およびルワンダの貿易の70%近くが、この回廊を通じて行われています。世銀が支援した復旧活動は、現在、マイナのような企業の幹部や民間運送業者の交通・輸送コストを削減するのに役立っています。

この回廊およびアフリカの他の主要な交易路で実施中の地域的復旧プロジェクトが、沿岸国および内陸国における交通アクセスおよび貿易環境を改善、交通費削減に役立っています。例えば、中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC)の運輸・交通促進プロジェクトにより、中央アフリカ共和国の400万人の住民、およびカメルーン北部の400-500万の住人は、全天候型道路が使えるようになります。このプロジェクトではまた、カメルーンのドゥアラ港における貨物の滞留時間30%短縮し、国を横断して中央アフリカ共和国までの輸送時間を20%短縮します。

アフリカ地域の概要

総人口:8億人
人口増加率:2.5%
平均寿命:52歳
乳幼児死亡率(出生1000件当たり):89件
若い女性の識字率:67%
HIV感染者・エイズ患者数:2230万人
2008年の一人当たり国民総所得(GNI):1,082ドル
一人当たりGDP指数(1998=100)122

注:平均寿命、乳幼児死亡率(出生1000件当たり)、若い女性の識字率、HIV感染者・エイズ患者数は2007年、その他の指標は2008年の「世界開発指標」データベース、HIV感染者・エイズのデータは国連・世界保健機関「2008年エイズ流行に関する報告書」の数字です。

2009年度の
新規融資承認額
2009年度の
融資実行額
IBRD:3億6200万ドル
IDA:78億8700万ドルa
IBRD:1億2000万ドル
IDA:43億1700万ドル

2009年6月30日現在において実施中のプロジェクトのポートフォリオ:290億ドル
a. コートジボワールに対する4550万ドルのHIPCグラントを含む。